詩 ✿鈴 蘭✿

✿鈴蘭✿　　　　森の奥、密やかに咲く鈴蘭の　　その清楚で、儚げな姿は　　まるで貴女のように重なる　　私は最初に、眼を奪われた・・・　　　　涼やかな芳香を放つ貴女は　　私の思考を狂わし　　清らかな朝露に濡れた貴女は　　私の神経を麻痺させる・・・　　暖かな木漏れ日に揺らぐ貴女は　　私の理性を惑わし　　淑やかな夜露を纏う貴女は　　私の皮膚を焼き融かす・・・　　　　大地に隠された貴女の媚薬に　　私は乱され、侵されてゆく・・・　　　　森の奥、密やかに咲く貴女の　　その可憐で健気な姿を　　手折る者に　　　　　ワザワイアレ・・・・　　　 　　　2005年6月作　ルルベル